初心者向け
n8n 用語集:アイテム、式、トリガー。最初に押さえる12語
n8n を使うときに出てくる用語を、実際に触って分かった注意点つきでまとめました。アイテム、式、トリガー、認証情報など、公式ドキュメントの訳語だけでは分かりにくい言葉を中心に。
公開
動作確認: — n8n 2.36.8
n8n を触っていると、説明なしに出てくる言葉がいくつかあります。 「アイテム」「式」「トリガー」あたりは、意味が分からないまま進めると必ずどこかで詰まります。
このページは、そうした用語を実際に触って分かった注意点つきでまとめたものです。 定義を並べるだけでなく、それを知らないとどう詰まるかまで書いています。
内容は n8n 2.36.8 で確認しています。
ワークフローWorkflow#
ノードをつないだ処理のまとまり。n8n で作るものの単位。
n8n で作る処理の単位です。トリガーから始まり、ノードを線でつないで処理の流れを作ります。
1つのワークフローは1つの目的に対応させるのが基本です。「毎朝天気を取って通知する」のように、何をするものかを一言で言える粒度にしておくと、後から読み返したときに分かりやすくなります。
ノードNode#
ワークフローを構成する部品。1つのノードが1つの処理を担当する。
キャンバス上に置く四角い部品です。「APIを叩く」「条件で分ける」「値を書き換える」といった処理を1つずつ担当します。
ノードには入力と出力があり、前のノードの出力が次のノードの入力になります。入力が2つあるノード(Merge)や、出力が複数あるノード(IF、Switch)もあります。
トリガーTrigger#
ワークフローの開始点。何をきっかけに動かすかを決めるノード。
ワークフローの先頭に置く特別なノードです。手動実行(Manual Trigger)、時刻指定(Schedule Trigger)、外部からの呼び出し(Webhook)などがあります。
トリガーは先頭にしか置けません。処理の途中で「ここで待つ」ような使い方はできません。
アイテムItem#
ノードの間を流れるデータ1件分。n8n の処理は基本的に1件ずつ行われる。
n8n で最も重要な概念です。ノード間を流れるデータは「アイテム」という単位に分かれていて、ほとんどのノードはアイテムごとに処理を繰り返します。
画面では出力パネルの右上に 2 items のように件数が表示されます。想定と違う結果が出たときは、まず入力が何件あるかを確認するのが基本です。
APIのレスポンスが配列だった場合、n8n は自動で1要素ずつのアイテムに分割します。1件のつもりが複数件になっていることがあります。
アイテムの中身は json というキーの下にデータを持つ形をしています。Codeノードで全件を受け取ったとき、値を取り出すには item.json.フィールド名 と書きます。
式Expression#
前のノードのデータを参照するための書き方。二重波かっこで囲んで書く。
入力欄に固定の文字ではなく「前のノードの値」を入れたいときに使います。二重の波かっこで囲んで書きます。
$json は処理中のアイテムのデータを指します。ほかにも全件を指すもの、現在時刻を指すものなどがあります。
入力欄を式モードに切り替えないと、ただの文字列として扱われます。切り替えのタブは、入力欄にマウスを乗せたときだけ現れます。
式として扱われているかは見た目で判断できます。文字が緑色になり、欄の左に fx や = のアイコンが付きます。うまく動かないときは、まずここを確認してください。
Fixed と Expression#
入力欄のモード。Fixed は固定値、Expression は式として評価される。
入力欄にマウスを乗せると現れる切り替えタブです。初心者が最初に必ず詰まる箇所です。
Fixed のまま式を書いても、その文字列がそのまま値になります。エラーにはならないので、気づきにくい失敗です。
表示のされ方はノードによって少し違います。Edit Fields では緑の = 、IFノードでは fx が欄の左に付きます。共通しているのは文字が緑色になることです。
実行Execution#
ワークフローが1回動いたこと。履歴として残り、後から中身を確認できる。
ワークフローが動いた1回分の記録です。Executions タブから履歴を見られます。
どのノードに何件のアイテムが流れたかが記録されるので、想定と違う結果になったときの調査に使います。キャンバス上でも、つなぎ線の上に件数が表示されます。
手動での実行(テスト)と、公開後の自動実行は区別されます。
Publish#
ワークフローを自動実行できる状態にすること。これをしないとトリガーは動かない。
画面右上のボタンです。Publish するまで、Schedule Trigger や Webhook は動きません。
手動実行のテストは Publish しなくても通るので、「テストでは動くのに自動実行されない」という状態になりがちです。
n8n のバージョンによっては Active という名前のトグルでした。
認証情報Credential#
APIキーやトークンを保存する仕組み。ノードに直接書かないためのもの。
外部サービスに接続するための鍵を、ノードとは別に保存する仕組みです。
APIキーをノードの入力欄に直接書かないでください。ワークフローをJSONで書き出したときに、鍵ごと外に出ます。認証情報として登録した値は書き出しの対象から外れます。
n8n が対応しているサービスなら、その認証情報を HTTP Request ノードから流用することもできます。
バイナリBinary#
画像やPDFなど、ファイルそのもののデータ。JSONとは別に扱われる。
アイテムは通常のデータのほかに、バイナリを持つことがあります。ファイルをダウンロードしたり、アップロードしたりするときに使います。
ファイルを送信する場合は、前のノードが出力したバイナリを指定して渡します。テキストのデータとは扱いが分かれている点に注意してください。
ピン留めPin data#
ノードの出力を固定して、実行せずに同じデータを使えるようにする機能。
ノードの出力を固定する機能です。ピン留めしている間、そのノードは実際には実行されず、固定したデータが後続に流れます。
外部APIを何度も叩かずに後続のノードを調整したいときに便利です。ただしピン留めしたまま本番で動かすと、古いデータで処理が進みます。検証が終わったら外してください。
MCPModel Context Protocol#
AIアシスタントと外部ツールをつなぐ規格。Claude Code から n8n を操作できる。
AIアシスタントやIDEが、外部のツールと通信するための規格です。n8n は MCP サーバーとして動作でき、Claude Code などのクライアントから接続できます。
つなぐと、n8n の画面を開かずにワークフローを作成・実行したり、ノードの定義を読んだりできるようになります。
接続するには n8n 側で MCP を有効にし、クライアント側にエンドポイントを登録します。
この中で特に重要な3つ
12語ありますが、最初に理解すべきはこの3つです。
アイテム — n8n の処理は「1件ずつ」が基本です。これを知らないと、 「1件のつもりが3件処理されていた」「件数が合わない」といった現象の原因が分かりません。
式と Fixed / Expression — 前のノードの値を使うための仕組みです。 切り替えを忘れてもエラーにならないので、初心者が最も詰まる箇所です。
Publish — 自動実行を有効にする操作です。手動テストは通るのに自動で動かない という状態は、ほぼこれが原因です。
用語が分かったら
実際のノードの使い方に進んでください。どれも、この用語集の言葉を使って説明しています。
- n8n HTTP Requestノードの使い方 — 外部からデータを取ってくる
- n8n IFノードの使い方 — 条件で処理を分ける
- n8n Edit Fields(Set)ノードの使い方 — データの項目を整える
- コアノードの一覧 — ノード別の解説