初心者向け

n8nはどこで動かすか:費用比較3選

n8n を動かす場所は、自分のパソコン、VPS、n8n Cloud の3つです。月額、外から届くか、パソコンを閉じたら止まるか、誰が面倒を見るかで比べました。VPS は実際に1GBのプランを借り、時刻がニューヨーク時間になる、約200MBのデータで落ちる、といったところまで確かめています。

動作確認: — n8n 2.41.6(VPS) / n8n 2.36.8(自分のパソコン) / ConoHa VPS 1GB

n8n を動かす場所は、大きく分けて3つあります。

  • 自分のパソコン:無料。n8n を入れて、自分のパソコンの中で動かす
  • VPS:月に千円前後で借りる、自分専用のサーバー。そこに n8n を入れる
  • n8n Cloud:n8n の会社が動かしてくれる、月額の有料サービス

先に結論を書くと、試す・作るだけなら自分のパソコンで十分です。 外から呼ばれる仕組み(LINE の返信や、スマホで押す承認ボタン)を作るときや、 パソコンを閉じても動かしたいときに、VPS か n8n Cloud を考えます。

このサイトの記事は、ほとんどを自分のパソコンの n8n で確かめてきました。 今回、VPS(ConoHa の1GB のプラン)を実際に借りて、同じことができるか、どこで困るかを確かめました。 n8n Cloud は契約していません。 Cloud の部分は、公式の料金表を読んだ内容です。

3つの違いを1枚の表で

自分のパソコン VPS(ConoHa 1GB で実測) n8n Cloud(Starter)
月額 0円 時間課金。1か月動かし続けても1,064円まで(税込) 年払いで月20ユーロ。月払いはその約2割増し
実行できる回数 無制限 無制限 月2,500回
外から届くか 届かない(届けるには工夫が要る) 届く(https も自動で設定された) 届く
パソコンを閉じたら 止まる 動き続ける 動き続ける
n8n の更新・バックアップ 自分 自分 n8n の会社
データの置き場所 手元 借りた会社のサーバー EU(ドイツのフランクフルト)
  • n8n Cloud の数字は、公式の料金表(2026年10月4日に確認)です。 年払いの月額が表示されていて、月払いに切り替えると「年払いで17%お得」と書かれています
  • n8n Cloud の「1回」は、ワークフローを最初から最後まで1回動かすことです。 中のノードの数は数えません。上限を超えても止まらず、追加料金がかかることがある、と書かれています
  • 自分のパソコンや VPS で動かす n8n(Community Edition)は無料ですが、使い方に条件があります(後で書きます)
外から呼ばれる(LINE・Webhook・スマホで承認)または、パソコンを閉じても動かしたい?いいえはい自分のパソコン0円。試す・作るならまずここ更新・バックアップ・守りを自分で見られる?はいいいえVPS1GB で月1,064円まで実行回数は無制限n8n Cloud年払いで月20ユーロ〜実行は月2,500回まで
料金は 2026年10月4日時点。VPS は ConoHa の時間課金(税込、月の上限額)、n8n Cloud は公式の料金表の Starter。

自分のパソコンで足りる人

次のどれかに当てはまるなら、まず自分のパソコンで十分です。

  • n8n を覚えたい、試したい
  • 自分で押して動かす自動化(手作業の代わり)が中心
  • 定時実行はあるが、パソコンを開いている時間帯だけでよい

お金がかからず、手元で全部見られます。このサイトの記事も、ほとんどはこの形で確かめました。 入れ方とデータの置き場所は、ローカルn8nのデータとバックアップに書いています。

自分のパソコンでは困ること

困るのは、外から n8n を呼ぶ仕組みです。

LINE の返信を自動化したとき、LINE のサーバーから自分のパソコンの n8n に通知を届ける必要がありました。 そのときは一時的なトンネル(外からのアクセスを手元に通す仕組み)を使いましたが、 起動し直すたびに URL が変わり、そのたびに LINE の設定を入れ直すことになりました (LINE対応自動化ワークフロー)。

承認ボタンも同じです。n8n が送るメールの承認ボタンは、自分のパソコンで動かしていると localhost(そのパソコンの中だけで通じる住所)を向いたリンクになります。 スマホで押しても開きません(Send and Wait の使い方)。

VPS を実際に借りて確かめたこと

ConoHa VPS(PR)のメモリ1GB のプランを、時間課金で借りました。

ConoHa には、申し込み画面で n8n を自動で入れるテンプレートがあり、それを使っています。 入ったのは n8n 2.41.6 です。

外から届く・スマホで承認できる

いちばん大きな違いはここでした。

  • 外から使う入口(https)を開けると、証明書(https の鍵)は数分で自動で取得されました。こちらの操作は要りませんでした
  • 承認ボタンのリンクが、外から開ける https の住所になりました
  • Wi-Fi を切ったスマホ(モバイル回線)で承認ボタンを押して、n8n にちゃんと届きました
  • Claude Code から、VPS の n8n に MCP でつないで、ワークフローを作る・公開する・結果を見る、までできました。 自分のパソコンの n8n と同じ使い方です(Claude Code と n8n を MCP でつなぐ)

何もしないと、時刻がニューヨーク時間になる

テンプレートで入れた n8n は、時刻をニューヨーク時間として扱っていました。 「毎朝9時」の定時実行を作ると、日本時間の夜22時(冬は23時)に動く状態です。

設定を2行(GENERIC_TIMEZONE=Asia/Tokyo と TZ=Asia/Tokyo)足して n8n を起動し直すと、日本時間になりました。 直したあとに「毎日9時38分」の定時実行を作り、9時38分15秒(日本時間)に動いたことまで確かめています。

時刻の設定の考え方は Schedule Triggerの使い方 にも書いています。

1GB で足りるか

1件1KB のデータを、件数を増やしながら処理させました。

1回に扱うデータ 結果 かかった時間
約1MB(1,000件) 成功 2秒
約10MB(1万件) 成功 16秒
約50MB(5万件) 成功 約1分半
約100MB(10万件) 成功 約3分
約200MB(20万件) n8n が落ちた 約9分後

メールや LINE の対応、表の数十〜数百行といった普段の業務の自動化なら、1GB で足ります。 1回に扱うデータが数MB にもならないからです。

数万行の CSV を一度に読むような使い方では、遅くなったり落ちたりします。 落ちたときのログは JavaScript heap out of memory(n8n が使えるメモリの上限を超えた)でした。 n8n は自動で起動し直しましたが、その実行の結果は失われました。

料金は、動かした時間の分だけ

時間課金なので、動かした時間の分が基本です。1GB は1時間あたり約1.5円で、1か月動かし続けても 1,064円(税込)が上限です。 試すだけなら、数十円で済みます。

止めている間も課金されるかは、確かめられませんでした。 初版では「止めている間は料金がほとんど増えなかった(利用額は3円)」と書いていましたが、誤りでした。 料金の画面の「今月の利用金額」は前日までの分で、夜に止めた翌朝に見た3円には、止めていた時間がほとんど入っていませんでした。画面の表示が前日までだと気づかないまま、結論を書いていました。 使い終わったら、止めるだけにせず、削除してください。

借りてみたい人は、ConoHa VPS の申し込み(PR)から。申し込み画面の「オプション」で、スタートアップスクリプトのテンプレートに n8n を選ぶと、n8n が入った状態で始められます。 申し込みのあとの手順は ConoHa VPSにn8nを入れる に、自分で面倒を見ることの中身は、次の節に書きました。

自分で面倒を見るということ

VPS では、n8n Cloud なら n8n の会社がやってくれることを、自分でやります。実際に起きたことを書きます。

  • テンプレートで入れた直後、n8n は止まっていました。 自分で起動する必要がありました。 また、一度サーバーを再起動するまで、メモリの不足を補う仕組み(スワップ)が有効になっていませんでした
  • パスワードを忘れると、メールでのリセットができません。 メールを送る設定が入っていないためです。 サーバーに入って、アカウントを作り直しました(作ったワークフローは残りました)
  • バックアップの取り方で、戻せるものが違いました。 ワークフローを書き出すだけでは、 認証情報(API キーなど)が戻りませんでした。データを丸ごと保存した方は、全部戻りました
  • パスワードのリセットやデータの復元の直後は、外から開いた人が最初にアカウントを作れてしまう状態になります。 その間は、外からの入口を閉じておく必要があります

ここに書いたことを自分で見られるなら VPS、見たくないなら n8n Cloud、というのが分かれ目です。

n8n Cloud が向く人

n8n Cloud は契約していないので、ここは公式の説明から書きます。

  • サーバーの更新・バックアップ・守りを自分でやりたくない
  • 外から呼ばれる仕組みを、すぐに動かしたい
  • 月の実行回数が、プランの範囲(Starter で2,500回)に収まる

月2,500回は、1日あたり約80回です。1時間ごとの定時実行なら1本で月約720回なので、3本で上限に近づきます。 LINE の問い合わせを1件ずつ処理するなら、1件で1回と数えます。

データは EU(ドイツのフランクフルト)のサーバーに置かれる、と公式の料金表に書かれています。 お客さまの情報を扱うときは、社内の決まりと合うかを確かめてください。

トライアルが終わると、お金を払わないと入れない(1件の経験)

筆者は、セルフホストを試す前に、間違えて n8n Cloud のトライアルに申し込んでしまいました。使わないまま期間が終わり、次のことが分かりました(筆者の1件だけの経験です)。

  • 終了のメールが届く。内容は「トライアルが終わった。ワークスペースは3日後に使えなくなる。データは90日間保管する。あとで契約すれば、続きから使える。ワークフローは、管理画面からいつでもダウンロードできる」(英語のメール)
  • 終了後に管理画面を開くと、「Your trial has expired. Upgrade to keep automating.」と出て、契約するまでワークスペースには入れない。画面には「あと78日、データを保管する」とも出ていた
  • その画面に出ていた料金は、年払いで月20ユーロ(17%お得と表示)、月払いで月24ユーロ。公式の料金表で読んだ数字と同じだった

つまり、トライアルで作ったものを、お金を払わずに使い続けることはできません。ただし、90日間は消えないので、契約するかをゆっくり決められます。

管理画面からのワークフローのダウンロードは、メールに書かれていた内容で、筆者は試していません。トライアルの日数も、記録を取っていないので、書けません。

無料で使えるが、条件がある

自分のパソコンや VPS で動かす n8n は無料ですが、Sustainable Use License という独自のライセンスです。 公式の説明によると、

  • 自分の会社の業務に使うのは問題ない
  • お客さまのためにワークフローを作り、作成・設定・保守の料金をもらうのも問題ない (お客さまがワークフローを作ったり直したりできない形で)
  • n8n を動かして、お客さまにワークフローを作らせるサービスとして売るのはだめ

「n8n を自分で動かして、人に使わせて料金をとる」ことを考えているなら、先に公式の説明を読んでください。 詳しくは n8nは商用利用できる? に書きました。

確認していないこと

  • n8n Cloud は契約していません。 料金と条件は公式の料金表を読んだだけです(トライアルが終わったあとの画面だけは、筆者自身が見ました)。無料期間の長さも、料金表には書かれていませんでした
  • VPS は ConoHa の1GB だけです。2GB 以上のプランや、ほかの会社の VPS は試していません
  • VPS で何日も動かし続けたときの様子(メモリの増え方、実行の記録の溜まり方)は、まだ見ていません
  • n8n のバージョンを上げる手順は、VPS では試していません

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