初心者向け
n8nの料金と実際の費用
n8n の料金を、Cloud の各プラン、セルフホスト、VPS で整理しました。実行1回の数え方は公式ドキュメントで確かめ、自分の LINE と Slack のワークフローでは、問い合わせ1件で実行が約3回数えられることを実測しました。AI の費用が別にかかることと、トライアルが終わったあとの様子まで書いています。
公開 最終更新
動作確認: — n8n 公式の料金表(2026年10月5日時点) / n8n 2.36.8(実行回数の実測) / ConoHa VPS 1GB
n8n の料金は、使う場所と実行の回数で決まります。この記事では、公式の料金表を整理して、そこに書かれていないこと(実行1回の数え方、AI の費用、セルフホストの本当の費用)を、実際に動かして確かめた内容で足します。
先に結論です。
- 自分のパソコンや VPS で動かす n8n(Community Edition)は、n8n 自体は無料で、実行回数にも上限がありません
- n8n Cloud は、Starter が月24ユーロ(年払いで月20ユーロ)、月2,500回まで。Pro が月60ユーロ(年払いで月50ユーロ)、月10,000回までです
- 「実行1回」は、ワークフローの中のノードの数に関係しません。 ただし、条件で捨てて、すぐ終わった実行も1回に数えられるはずなので、使い方によっては、思ったより早く上限に近づきます
- n8n の料金とは別に、AI(Claude など)の利用料がかかります。筆者の実測では、問い合わせ1件で0.4〜1.2円ほどでした
どこで動かすかの選び方は、n8nはどこで動かすかに書いています。この記事は、お金の面に絞っています。
n8n の料金一覧
n8n 公式の料金表(2026年10月5日に確認)を整理しました。
| Starter | Pro | Business | Enterprise | Community | |
|---|---|---|---|---|---|
| 動かす場所 | n8n Cloud | n8n Cloud | 自分のサーバーのみ(公式の表記) | Cloud か自分のサーバー | 自分のパソコン・サーバー |
| 月額(年払い) | 20ユーロ | 50ユーロ | 667ユーロ | 問い合わせ | 無料 |
| 月額(月払い) | 24ユーロ | 60ユーロ | 800ユーロ | 問い合わせ | — |
| 実行回数(月) | 2,500回 | 10,000回 | 40,000回 | 相談 | 無制限 |
| 同時に動かせる数 | 5 | 20〜50 | 200以上 | 200以上 | — |
| 実行の履歴の保管 | 7日 | 30日 | 30日 | 365日以上 | 自分で決める |
| プロジェクト数 | 1 | 3 | 6 | 無制限 | — |
共通:「ユーザー数、ワークフローの数、使えるサービスの数は、どのプランも無制限」と公式の料金表に書かれています。課金されるのは、実行の回数です。
- 月払いと年払いは、料金表の上の切り替えで変わります。年払いは17%お得と表示されます。月払いの金額(24・60・800ユーロ)は、2026年10月5日に、料金表の切り替えを実際に押して見ました。Starter の24ユーロは、トライアルが終わったあとの画面でも見ています
- Starter と Pro には、「無料トライアルを始める(クレジットカード不要)」のボタンがあります。Business のボタンには「自分のサーバー用のみ」と添えられていて、「従業員100人未満の会社向け」と説明されています
- Pro と Business の実行回数の欄には、枠を選べるような矢印(▾)が付いていました。選ぶと金額が変わるかは、確かめていません
- Business は、公式の表で「今は自分のサーバー用のみ」とされていて、シングルサインオン(SSO)、複数の環境、Git での版管理などが付きます。スタートアップは Business が50%引きと書かれています
- データは、Cloud では EU(ドイツのフランクフルト)のサーバーに置かれます
「実行1回」はどう数えるのか
料金の決め手は、この数え方です。公式は、「ワークフロー全体の1回の実行が、1回」で、「途中のノードが何個あっても、1回」と説明しています。
公式ドキュメント(Understand executions)が、数えないものを、次のように挙げています。
- エディタから押した手動の実行(作っている間のテスト)は、数えない
- Execute Sub-workflow で呼ばれた子は、親の実行だけが数えられる
- エラーワークフローの実行は、数えない
「条件で捨てた実行」も1回
LINE や Slack のように、外から通知が届くたびに動くワークフローは、通知が1つ届くたびに、実行が1回始まります。途中で条件に合わず捨てられても、始まった実行は、1回です(公式の「トリガーで始まった本番の実行」という定義から読み取りました)。
筆者の LINE と Slack をつなぐワークフローで、実際に数えてみました。手元の n8n に、問い合わせを11件送り、担当者が Slack で返信を何度か書いた結果です。
| ワークフロー | 実行された回数 |
|---|---|
| LINE を受けるワークフロー | 13回(うち2回は動作確認で、問い合わせは11件) |
| Slack の返信を受けるワークフロー | 22回 |
| 合計 | 35回 |
つまり、問い合わせ1件あたり、約3回の実行が数えられる計算です(LINE×Slack 問い合わせ対応)。
なぜ増えるのか。Slack の返信を受けるワークフローは、チャンネルに書かれたものすべてに反応して動くためです。次のものが、全部1回ずつ動きました。
- ボット(このワークフロー自身)が Slack に書いた投稿
- 担当者が書いた返信(「チャンネルにも投稿する」を付けると、種類の違う通知が2つ届く)
- 「//」で始めて、LINE に送らないことにした社内メモ
どれも、最初の絞り込みで捨てられて、すぐ終わります。 処理としては軽いのですが、回数としては1回に数えられるはずです。
月2,500回で足りるのか
実行の回数を、目安として計算してみます。
| ワークフローの例 | 1か月の実行回数 | Starter(2,500回) | Pro(10,000回) |
|---|---|---|---|
| 1時間ごとの定時実行 | 約720回 | 3本で約2,160回。ほぼ上限 | 余裕 |
| 5分ごとのポーリング(新着の確認)1本 | 約8,640回 | 超える | 1本で約86%を使う |
| LINE×Slack の問い合わせ対応(1件で約3回) | 1件あたり約3回 | 約800件まで | 約3,300件まで |
| 1日に10回、手で呼ぶ Webhook | 約300回 | 余裕 | 余裕 |
- 短い間隔の定時実行や、新着の確認は、実行を一気に使います。Starter で使うなら、間隔を長くするか、本当に必要な頻度かを考えてください
- 外から通知が届く形(LINE、Slack)は、問い合わせの件数だけでなく、チャンネルや窓口に書かれる量で回数が決まります。担当者どうしの会話が多いチャンネルをつなぐと、思ったより減ります
上限を超えたら、どうなるのか
公式の料金表には、次のように書かれています。
If you exceed your quota, rest assured your workflows will continue running without interruption, but overage charges may apply if you do not upgrade to the next usage tier.
ワークフローは止まらずに動き続けるが、次の段階に上げないと、超過の料金がかかることがある、という意味です。
Starter と Pro の超過料金が、いくらなのかは、料金表に書かれていませんでした。 書かれていたのは、Business の「30万回ごとに4,000ユーロ」だけです。上限に近づいたら、契約している画面で、超過の条件を確かめてください。
セルフホストは、本当に0円か
n8n 自体は無料ですが、動かす場所には、お金と手間がかかります。
| 動かす場所 | 費用 | 注意 |
|---|---|---|
| 自分のパソコン | 0円 | パソコンを閉じると止まる。外から呼ばれる仕組み(LINE など)は、そのままでは動かない |
| VPS(ConoHa の1GB で実測) | 時間課金。1か月動かし続けても、最大 1,064円(税込) | 止めている間も課金されるかは、確かめられていない。使い終わったら削除 |
- 1GB の VPSは、1回に扱うデータが数MB の、普段の業務の自動化なら足りました。約200MB のデータで落ちました(n8nはどこで動かすか)
- 更新、バックアップ、守りは、すべて自分でやります。実際にやってみた手順は、ConoHa VPSにn8nを入れるに書いています
- 商用で使うときの条件(Sustainable Use License)は、n8nは商用利用できる?にまとめました。自分の会社の業務に使うのは問題なく、n8n を動かして、お客様にワークフローを作らせるサービスとして売るのは、認められていません
AI の費用は、n8n の料金とは別
ワークフローの中で Claude などの AI を使うと、AI の会社に、n8n とは別に料金を払います。 n8n の料金(月額)には、含まれません。
筆者が実測した、1通・1件あたりの AI の費用です(Claude Haiku 4.5、1ドル150円で計算)。
| ワークフロー | 1件あたり | 出典 |
|---|---|---|
| 決まった手順で組んだ、メールの返信の下書き | 約0.4円 | AI Agentに任せるか、手順を組むか |
| 同じ仕事を、AI Agent に任せた版 | 約1.2円(約3倍) | 同上 |
| LINE の問い合わせに、AI が即答する版 | 約0.4〜0.5円(見積もり) | LINE×Slack 問い合わせ対応 |
LINE の版の数字は、実行の記録に残ったトークンの数(在庫を答える1件で、入力が約2,000、出力が約180)から、メール版と同じ単価で計算した見積もりです。AI の会社の請求の画面では、確かめていません。
Anthropic の API は、先にお金をチャージして使います。最低のチャージ額は5ドルで、日本からは消費税10%が加わります(n8n Anthropic Chat Modelの使い方)。確かめるだけなら、5ドルで十分に足ります。
トライアルが終わったあと
n8n Cloud の無料トライアルが終わると、契約するまでワークスペースには入れません。 データは90日間保管されます(筆者の1件の経験です。詳しくはn8nはどこで動かすか)。
どれを選ぶか
| 状況 | 目安 |
|---|---|
| 覚える、試す。自分で押して動かす | 自分のパソコン(0円) |
| 外から呼ばれる、パソコンを閉じても動かしたい。サーバーの面倒を見られる | VPS(月1,064円まで) |
| サーバーの面倒を見たくない。実行が月2,500回以内 | Cloud の Starter |
| 実行が月2,500回を超える、同時にたくさん動かす | Cloud の Pro、または VPS |
| 会社として、SSO や Git の版管理が要る | Business(自分のサーバー)。スタートアップは50%引き |
確認していないこと
- n8n Cloud は、契約していません。 実行の数え方は、公式ドキュメントのとおりで、Cloud の画面では確かめていません
- Starter・Pro の超過料金と、実行回数の枠を選んだときの金額は、確認できていません
- 「条件で捨てた実行も1回に数えられる」は、公式の定義から読み取ったもので、Cloud の請求では確かめていません
- 為替で、ユーロの金額は円で変わります。料金は、契約の前に、公式の画面で確かめてください
- VPS は ConoHa の1GB だけです。止めている間の課金は、確かめられていません
次に読む
- 動かす場所を選ぶところから読むなら n8nはどこで動かすか
- VPS に入れる手順は ConoHa VPSにn8nを入れる
- AI の費用の見方は AI Agentに任せるか、手順を組むか
- n8n がどういうツールかから読むなら n8nとは