初心者向け
n8nで業務自動化
n8n 業務自動化の実例を、実際に動かして確かめた記録のまとめです。問い合わせへの返信、毎朝の集計通知、失敗の通知など、実際に組んで動かした5つのワークフローを、何を任せて何を人に残したか、1件いくらかかったか、どこで止まったかと一緒に並べました。
公開
n8n(エヌエイトエヌ)を使って、実際に業務の自動化を組んで動かした記録をまとめたページです。
「こんなことができます」という紹介ではありません。自分で組んで、動かして、うまくいかなかったところまで確かめたものだけを並べています。 初めての人は、気になる例を1つ選んで、その記事から読んでみてください。
n8n そのものが初めてなら、先に n8n とは を読むと、このページの言葉がつかみやすくなります。
実際に自動化した5つの業務
どれも、取り込めるワークフロー(n8n で作る自動化の手順書)を配っています。 「AI」の列は、Anthropic の Claude(AIのモデル)を呼ぶかどうかです。
| 自動化した業務 | 何を受けて、何をするか | AI | 1件あたりの費用 |
|---|---|---|---|
| LINEの問い合わせ対応 | 客のLINEに受付の返事だけすぐ返し、在庫や来店枠を調べた返信案を、スタッフが承認してから送る | 使う | 約0.4円(写真は約0.6円) |
| メールの問い合わせ対応 | 届いたメールを読み、在庫や来店枠を調べて、返信の下書きを作る。送るのは人 | 使う | 約0.4〜0.6円 |
| 毎朝の集計と通知 | 毎朝7時にデータを取り、地域ごとに最大と平均を出して、送れる文章にまとめる | 使わない | 0円 |
| 止まらないデータ取得 | 複数の取得先を順に取りに行き、1件失敗しても残りを取りこぼさない | 使わない | 0円 |
| 失敗したときの通知 | どのワークフローが失敗しても、1か所でまとめて通知の形に整える | 使わない | 0円 |
費用は、AIの呼び出しにかかったぶんだけです(1ドル150円で計算)。 n8n は自分のパソコンで動かしているので、n8n 自体の費用はかかっていません。
問い合わせ対応の2本は、架空の家具店を想定した見本データを使っています。在庫の表と来店枠の表を、自分の店のものに置き換えれば使える形です。
自動化する前に決めること:どこまで機械に任せるか
5本を組んでみて、一番大事だったのは「AIが間違えたとき、誰に届くか」でした。
- 客に届くものは、1か2にしています。メール版は下書きを作るところで止め、LINE版は人が「送る」を押すまで客に届きません
- 自分や社内に届くもの(毎朝の集計、失敗の通知)は、3の全部自動にしています。間違っていても、困るのは自分だけだからです
AIに全部任せるか、手順を決めて組むか
n8n には AI Agent(AIに道具を持たせて、何をどの順でやるかをAIに決めさせる仕組み)もあります。 メール対応を、手順を決めて組んだ版と、AI Agent に任せた版の両方で作って比べました。
| 手順を決めて組んだ版 | AI Agent に任せた版 | |
|---|---|---|
| 1通あたりの費用 | 約0.4円 | 約1.2円(約3倍) |
| 「今週土曜の午後」に空き枠を案内できた | 6回中6回 | 4回中1回 |
手順を書き出せる仕事は、手順として組んだ方が安くて正確でした。 詳しくは AI Agentに任せるか、手順を組むか にまとめています。
動かしたあとに止まる場所
自動化でいちばん怖いのは、止まっているのに気づかないことです。 n8n の画面で「成功」と表示されていても、中身が壊れていたことが何度もありました。
1件の問題で、残りが全部止まる
- メール7通を処理するはずが、6秒で「成功」と表示されて終わっていました。分類できないメールが1通あり、そこで捨てられて、後ろの5通は一度も処理されていませんでした(記録)
- 3件のデータを取りに行って1件だけ失敗すると、既定の設定では成功した2件の結果まで消えます(記録)。止まらないデータ取得は、これを避ける形にしてあります
0件でも「成功」になる
メールの取得条件を書き間違えると、1通も取れないまま、毎回「成功」として実行の一覧に並びます。 「メールが来ていない」のか「条件が間違っている」のかは、一覧を見ても区別できません。
AIは今日の日付を知らない
「今週の土曜に行きたい」というメールから、AIは日付を取り出せませんでした。今日が何日なのかを知らないからです。 その結果、16時に空きがあるのに「来店枠の情報がございません」と断る下書きができました。 今日の日付と曜日を一緒に渡すと直りました(記録)。
失敗の通知が、試したときには飛ばない
失敗したら通知する仕組みを作っても、エディタで手動で動かして失敗させたときには、通知が飛びません。 Publish(公開して本番として動かすこと)したあとの実行で失敗したときだけ飛びます。 「試したけど通知が来ない、設定が間違っている」と思って直し始めると、正しい設定を壊すことになります(記録)。
誰も承認しないと、客は放置される
LINE版の承認待ちは、何も設定しないと期限がありません。実行記録の終了予定は「西暦3000年」になっていました。 スタッフが承認メールを見落とすと、客には受付の返事しか届かないまま、ずっと放置されます。 配布版は24時間で期限が切れ、切れたらスタッフに知らせる形にしてあります(記録、承認ボタンの仕組みは Send and Wait の使い方)。
費用の目安
AIの費用
問い合わせ1件の処理で、AIを3〜4回呼びます(用件の仕分け、必要な情報の取り出し、返信の作成。写真なら読み取りがもう1回)。 Claude Haiku 4.5 という安いモデルで、1件あたり約0.4〜0.6円でした。 AIを使うためのAPIキーの準備と、モデルの選び方は n8n で Claude を使う にまとめています。
AI を使わないワークフロー(集計、取得、通知)は、AIの費用がかかりません。
n8n を動かす場所
このページの例は、すべて自分のパソコンに入れた n8nで動かしました。n8n の利用料はかかっていません。 ただし、パソコンを閉じると止まります。毎朝7時に動かしたり、LINEの問い合わせをいつでも受けたりするなら、ずっと動いているサーバーが必要です。
自分のパソコンで動かすときに、データがどこにあり何をバックアップすればいいかは n8n をローカルで動かす に書きました。 動かし続けると実行の記録が溜まっていきます。どれくらい増えるかは 実行履歴はどれだけ溜まるか で測っています。
始め方
初めての人は、この順で読むと迷いにくいと思います。
- n8n とは:何ができて、最初にどこで詰まるのか
- n8n 用語集:ノード、アイテム、トリガーなど、最初に押さえる言葉
- 定期取得・集計・通知ワークフロー:認証情報(サービスにログインするための設定)が要らないので、取り込んですぐ動く。最初の1本におすすめです
- 失敗したときの通知:2本目以降を作る前に入れておくと、止まったことに気づける
- 問い合わせ対応(メール、LINE):AIと外部サービスを組み合わせる、少し難しい例
ワークフローを会話で作りたいなら、Claude Code から MCP で n8n を操作する方法もあります。このサイトのワークフローの多くは、この方法で作っています。
確認していないこと
- 5本とも、自分のパソコンで動かした n8n 2.36.8 で確かめたものです。サーバーで長い期間動かし続けた記録ではありません
- 問い合わせ対応の2本は、架空の店と架空の客で試しています。実際の問い合わせは、書き方がもっとばらつきます
- AIのモデルは Claude Haiku 4.5 だけで試しています
次に読む
まず1本動かしてみたいなら、定期取得・集計・通知ワークフローから始めてください。取り込んで、ボタンを1つ押せば動きます。
自動化を作る前に、どこまで任せるかを考えたいなら、AI Agentに任せるか、手順を組むかが参考になります。