中級向けn8n 公式テンプレート承認済み

Slack のスレッドを会議資料に

Slack のスレッドで「定例用のスライドにして」とアプリに頼むと、話し合いの内容が、背景・論点・決めたいこと・次の一手の枠に沿って、会社の Google スライドのひな形に入ります。

Claude には、項目ごとに根拠のメッセージを引用させます。引用が会話にない、数字や日付が引用元に書かれていない、担当者が会話にいない、という項目は、コードが外して理由を返します。

それでも、「しようと思います」が「決定」に変わるような、数字のない意味のずれは止められませんでした。最後は人が読みます。

人の手間は、どう変わるか

Before(人が手でやっていたこと)

  • 会議の前に、スレッドを読み返して、決まったことと決めたいことを拾い出す
  • AI のアプリにスレッドを貼って要約させ、出てきた文を会社のひな形のスライドに貼り直す
  • 担当者と期日が、本当にスレッドに書いてあったかを見直す

After(このワークフローを入れると)

  • スレッドで @メンションするだけで、会社のひな形に沿ったスライドのリンクが返ってくる
  • 項目ごとに根拠のメッセージの番号が付き、最後のスライドに引用の一覧が載る
  • 根拠のない項目・数字・日付・担当者は外され、外した理由がスレッドに返る

それでも人に残ること

  • スライドを読んで、言い回しのずれ(予定が決定になっていないか)を直す
  • 外された項目を見て、必要なら手で足す

動作確認: — n8n 2.36.8 / Claude Haiku 4.5 / Slack / Google スライド・ドライブ

n8n 公式テンプレート: 英語版が n8n の審査を通過しました()。注記を読む

この記事で配っている JSON は、n8n に出した英語版と同じものです(審査のあとで n8n 側が手を入れていれば、公式のページの版のほうが新しい)。n8n が内容を保証するものではありません。 n8n 公式のページ(英語版)を見る

Slack で話し合ったことを、会議のスライドにまとめ直す。AI のアプリに貼れば要約はすぐできますが、その要約に、スレッドに書かれていない数字や期日が混ざっていないかは、結局、読み比べないと分かりません。

このワークフローは、AI(Claude)に、項目ごとに、根拠にしたメッセージの一文を引用させます。 そして、コードが確かめます。引用は本当にスレッドにあるか。項目の中の数字や日付は、その引用元に書かれているか。担当者は、スレッドにいる人か。通らない項目はスライドに載せず、「外した項目と理由」をスレッドに返します。

ただし、これで全部は止められません。試したスレッドでは、「テーマを n8n にしようと思います」が、スライドでは「テーマは n8n に決定している」になりました。数字も日付も含まない、言い回しのずれです。コードの確かめは通り抜けたので、最後は人が読む前提です。

約31秒の予告編(音声あり。音声:VOICEVOX:雨晴はう)

meeting-brief-slides.json をダウンロード(n8n 公式テンプレートとして承認された英語版と同じファイル)

スレッドで頼む@アプリ「定例用に」(フォームに貼っても可)名前を引き、番号を振るClaude が枠を埋める背景・論点・決めたいこと次の一手(誰が・いつ)項目ごとに根拠を引用コードが項目ごとに照らす引用は、本当に会話にあるか数字・日付は、引用元に書いてあるか担当者は、会話にいる人か通らない項目は外し、理由を残す会社のひな形に埋める項目の後ろに、根拠の番号 [4, 5]最後のスライドに、引用の一覧スレッドに返す → 人が読んで直すリンクと、外した項目とその理由言い回しのずれ(予定→決定)は人が見る
コードで止められるのは、作られた引用・数字・日付・担当者です。数字のない意味のずれは止められないので、最後は人が読みます。

AI に引用させ、コードが照らす

Claude に渡すのは、番号を振ったスレッドのメッセージ(送り主と時刻つき)と、何のための資料か(メンションの後ろの言葉)です。返させるのは、決まった枠の JSON です。

枠 中身
背景 前提になっている事実
論点 話し合われている問いや、選択肢
決めたいこと まだ決まっていない、決めるべきこと
次の一手 誰が・何を・いつまでに(書かれていなければ空)

項目には、それぞれ 根拠(sources) として、メッセージの番号と、そのメッセージからそのまま写した短い一文を付けさせます。1つの項目が2つのメッセージの内容をまとめるときは、両方を付けさせます。

コードが照らすことは、次の3つです。

  1. 引用は、会話にあるか。 番号のメッセージになければ、ほかのメッセージも探す。どこにもなければ、その項目を外す
  2. 数字と日付は、引用元に書かれているか。 項目の中の数字(「500部」の 500、「11月14日」の 11 と 14)が、引用したメッセージのどれかにあるか。なければ外す。期日が引用元にない場合は、項目は残して、期日だけ消す
  3. 担当者は、会話にいる人か。 送り主の名前か、引用元に書かれた名前でなければ、担当者だけ消して「(担当者の記載なし)」にする

Claude への指示では、「会話にない事実・数字・日付・名前を足さない」「『来週中』のような相対的な期日を、カレンダーの日付に直さない」とも書いています。

試した結果

フォームに貼った会話(展示会の準備、9件)で3回

架空のチーム(佐藤・田中・鈴木)が、11月14日の展示会の準備を話し合う会話です。「パンフレットは500部で」「見積もりは来週中に出します」のように、数字と期日が別々のメッセージに出てきます(2026年10月20日。Claude Haiku 4.5)。

回 結果 直したこと
1回目 正しい項目が2つ外れた。その1つは一番大事な「鈴木さんが500部の印刷見積もりを来週中に出す」。「500部」はメッセージ4に、「来週中」はメッセージ5にあるのに、引用を1つしか付けられない作りだったため。題名も「来週の定例用」(資料の目的をそのまま書いた) 1つの項目に、引用を複数付けられるようにした。題名は話題を書くよう指示した
2回目 題名は「11月14日展示会の出展準備」になり、2つのメッセージを引用した項目も通った。でも鈴木さんの項目は、また引用が1つだけで外れた 「数字や期日を書いたら、それが書かれたメッセージも必ず引用する」と、指示をはっきりさせた
3回目 外れた項目なし。「500部のパンフレット印刷代の見積もりを出します — 鈴木, 来週中 [4, 5]」 —

「来週中」は、3回とも日付に直されませんでした。

わざと間違えた答えで、確かめの部分だけを試した

Claude を使わずに、間違いを入れた答えを手で作り、確かめのコードに通しました。

入れた間違い 結果
出展料を「35万円」と書く(会話では30万円) 項目を外した
会話にない一文を引用する 項目を外した
期日を「10月27日」と書く(会話では「来週中」) 項目は残し、期日を消した
会話にいない「山本」を担当者にする 項目は残し、担当者を消した
2つのメッセージを引用した正しい項目 そのまま残した

本物の Slack のスレッドで

私の Slack のワークスペースで、社内勉強会を準備する5件のスレッドを作り、アプリをメンションしました(返事まで約11秒)。送り主の名前は users:read の権限で引いています。ここで、冒頭の「言い回しのずれ」が出ました。

メッセージ スライドの背景(1回目)
「来月の社内勉強会、テーマをn8nにしようと思います。11月20日の15時から60分です」 「社内勉強会のテーマはn8nに決定している」

数字も日付も含まないので、コードの確かめは通りました。Claude への指示に「考え・予定・提案は、そのまま考え・予定・提案として書く。決定に変えない」と足したところ、2回目は「11月20日の15時から60分間、大会議室で開催予定」と書かれ、テーマを決定と書く項目はなくなりました。ただ、指示を足しても、毎回守られる保証はありません。

このスレッドでは、次の2つも見つけて直しました。

  • 根拠の一覧の時刻が、日本時間ではなく世界標準時(9時間前)だった
  • メンションの「*定例用のスライドにして*」が、Slack の太字の記号ごと副題に入った

使うための設定

  1. 認証情報: Slack(Bot のトークン)、Google ドライブ・Google スライド(OAuth2)、Anthropic
  2. スライドのひな形: 会社のレイアウトで、次の文字を置く。箇条書きが最大5行入るので、そのぶんの大きさのテキストボックスにする {{title}} {{subtitle}} {{background}} {{points}} {{decisions}} {{next_steps}} {{sources}}
  3. Config: ひな形の ID、枠ごとの最大の項目数、タイムゾーン
  4. まずフォームで試す: 「名前: メッセージ」の形で会話を貼る
  5. Slack: Slack アプリに、Bot の権限 app_mentions:read・channels:history・chat:write・users:read を足して入れ直す。Event Subscriptions に Slack mention の本番の URL を貼り、app_mention を受け取るようにする。使える人のメンバー ID を Slack settings に書き、アプリをチャンネルに招く。n8n は、外から届く場所に置く必要があります(試したときは、一時的なトンネルを使いました)

枠(背景・論点・決めたいこと・次の一手)は、指示文と確かめのコードとひな形を変えれば、「課題・案・おすすめ・進め方」のような別の枠にもできます。

確認していないこと

  • 非公開チャンネル。 試したのは公開チャンネルだけです(非公開チャンネルでは、Slack の groups:history の権限も要ります)
  • 長いスレッド。 試したのは5件と9件です。200件を超えると、新しい200件だけを使う作りにしています
  • メンションを含む前の依頼を、会話から外す直しは、本物の Slack では試していません(手元で同じ形のデータを通して確かめました)
  • 指示を足したあとに、「予定 → 決定」のずれが本当に出なくなったか。2回目に出なかったのは、1回分の結果です

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