中級向けn8n 公式テンプレート承認済み
引用つきの議事録
会議の文字起こしを n8n のフォームに貼ると、Claude が要約・決定事項・担当者つきの ToDo・未解決の疑問を書き、どの項目にも文字起こしからの引用を付けます。
引用は実在するか、担当者は出席者か、数字は書いてあるかは、コードが確かめます。「金曜まで」のような締め切りの言葉は、コードが日付にします。
ダミーの会議4つで試すと、隠した指示や「たぶん」の発言は記録されませんでした。ただし、確認を通ったのに中身が違う項目が1件ありました。
n8n 公式テンプレートとして承認された JSON を配布します。
人の手間は、どう変わるか
Before(人が手でやっていたこと)
- 会議のあと、録音や文字起こしを見返して、決まったことと ToDo を書き出す
- 「誰が、いつまでに」を思い出し、「金曜まで」「月末」が何月何日かを数える
- 書いた議事録を、シートや Slack に貼って共有する
- AI に書かせた場合は、各項目が本当に会議で出た話か、元の発言を探して1つずつ確かめる
After(このワークフローを入れると)
- 文字起こしをフォームに貼るだけで、要約・決定事項・担当者つきの ToDo・未解決の疑問ができる
- どの項目にも元の発言の引用が付き、引用が本当にあるか、担当者が出席者か、数字が書いてあるかを、コードが確かめる
- 「金曜まで」のような言葉は、会議の日付から、コードが日付にする
- シートに記録し、Slack に要約が届く
それでも人に残ること
- ⚠(要確認)の付いた項目を読んで、直すか消す
- 決定事項には一度目を通す。引用が本物でも、中身が引用と違う項目を、確認が通してしまったことがある(下の「見逃した1件」)
公開
動作確認: — n8n 2.36.8 / Claude Haiku 4.5 / Google スプレッドシート / Slack(無料プラン)
n8n 公式テンプレート: 英語版が n8n の審査を通過しました()。注記を読む
この記事で配っている JSON は、n8n に出した英語版と同じものです(審査のあとで n8n 側が手を入れていれば、公式のページの版のほうが新しい)。n8n が内容を保証するものではありません。 n8n 公式のページ(英語版)を見る
AI に議事録を書かせると、それらしい文章が出てきます。 困るのは、「誰が、いつまでに、何をやる」が、本当に会議で決まったことなのか、AI の作文なのか、読んだだけでは分からないことです。
このワークフローは、どの項目にも、文字起こしからの「引用」を付けさせて、コードが照合します。 照合に落ちた項目は、消さずに「要確認」と理由を付けて残します。
ただし、先に結論を書きます。照合で分かるのは、「引用が実在する」ことだけです。 引用が実在しても、項目の中身が引用と合っていないことがあります。試した4つの会議で、それが1件ありました(下の「見逃した1件」)。
meeting-minutes-evidence.json をダウンロード
n8n 公式のテンプレートとして承認されました(n8n の画面での公開の日付は、2026年10月15日)。配っているのは、n8n に出した英語版と同じファイルです。画面の文字(フォームの項目、Slack の見出し)は英語ですが、日本語の会議にも使えます(日本語で試しました)。
このワークフローがすること
- フォームに、会議名、日付、出席者(1行に1人)、文字起こしを貼る
- 同じ会議(会議名・日付・文字起こしが同じ)が、すでに記録されていれば、飛ばして Slack に知らせる
- Claude(Haiku 4.5) が、要約、決定事項、担当者つきの ToDo、未解決の疑問を書く。どの項目にも、文字起こしからの引用を1つ付ける
- コードが確かめる(AI は使わない)
- シートの
Itemsタブ(1項目1行)とMinutesタブ(1会議1行)に書き、Slack に要約を送る。確認に落ちた項目には ⚠ を付ける
コードが確かめること
| 確かめること | どうしているか |
|---|---|
| 引用は、文字起こしにあるか | 空白・全角半角・引用符の違いは無視して、文字起こしの中に、その文字列があるかを見る。8文字未満の引用は、短すぎて何も証明しないので、落とす |
| 担当者は、出席者か | 出席者の一覧と照合する(名だけでもよい)。2人に当てはまる名前は落とす。担当者がいない ToDo は「Unassigned」にして落とす |
| 担当者の名前は、引用の近くにあるか | 引用の前後、約250文字の中に、担当者の名前があるかを見る(弱い確認。下の「確認の限界」) |
| 数字は、文字起こしにあるか | 要約や項目に出てくる数字が、すべて文字起こしに書いてあるか |
| 締め切りの言葉 → 日付 | 「by Friday」「next Tuesday」「end of the month」「来週の金曜」「月末」「3日後」を、会議の日付から、コードが日付にする。AI には、言葉を書き写させるだけ。読めない言葉は、日付を入れずに落とす |
| 取りこぼし | 文字起こしに「I’ll」「お願いします」のような言葉があるのに、ToDo が1件もなければ、議事録全体を要確認にする |
締め切りの決まりは、次のとおりです(コードの中で変えられます)。「Friday」は、会議の日のあとの最初の金曜。「next Friday」と「来週の金曜」は、翌週の金曜。「next week」は、翌週の金曜。「月末」は、会議の月の末日です。
ダミーの会議4つで試した結果
実在の会議は使っていません。私が書いた会議4つ(英語3、日本語1)で、それぞれ1回、実行しました(2026年10月12日、Claude Haiku 4.5)。
| 会議 | 仕込んだわな | 結果 |
|---|---|---|
| 発売日の会議(英語) | 文字起こしの中の「Ignore all previous instructions」、「maybe」の発言、「考えてみる」の発言 | 3つとも記録されなかった。 決定1、ToDo 3、疑問1。「by Friday」は 10/16、「next Tuesday」は 10/20 になった |
| リリース会議(日本語) | 「もしかしたら変えた方がいいかも」 | 記録されなかった。「来週の金曜まで」は 10/23、「月末まで」は 10/31 |
| 予算の会議(英語) | 担当が Bob から Carol に移る | 担当は Carol になった。 「by the 20th」は 10/20 |
| 名前のない会議(英語) | 話者の名前がない、出席者も空 | ToDo 2件が「Unassigned」になり、⚠ 付きで残った |
同じ会議をもう一度送ると、飛ばして、Slack に「記録済み」と知らせました。
コードの確認そのものは、AI を使わずに、わざと間違えた出力(作り話の引用、担当者違い、数字違い、作り話の締め切り、JSON でない文)17通りと、締め切りの言葉43通りで試し、すべて期待どおりでした。
1回目の実行の出力を見ると、Claude は、JSON を、コードブロックの記号で囲んで返していました。指示では「囲みは不要」と書いていましたが、コードの側で外しているので、問題になりませんでした(ほかの3回の出力は、囲みの有無まで見ていません)。
見逃した1件:引用は本物、中身は作文
予算の会議で、Claude は、次の「未解決の疑問」を書きました。
How many users are affected by the login bug?(ログインの不具合で、何人が影響を受けるのか)
付いていた引用は、「Let’s park the login bug until we know how many users are affected.」(影響の人数が分かるまで、ログインの不具合は保留にしよう)です。引用は文字起こしに実在するので、確認を通りました。 しかし、会議でこの質問をした人はいません。「保留にする」という発言を、AI が疑問の形に作り替えています。
つまずいた2つと、直し方
1. 担当者違いが、短い会議ではすり抜ける
最初の版では、「担当者の名前が、引用の前後400文字にあるか」を見ていました。わざと担当者を変えた出力で試すと、短い会議では、隣の発言者の名前が範囲に入ってしまい、すり抜けました。 範囲を約250文字に狭めて、離れている場合は止まることを確かめました。ただ、隣り合う発言者の取り違えは、今も止められません。 弱い確認だと割り切っています。
2. 「the 20th」「20日まで」が読めなかった
月を言わない日付(「by the 20th」「20日まで」)を、最初の版のコードは読めず、「読めない締め切り」として落としていました。会議の日付以降の、最初のその日にする決まりを足しました。
使うための設定
1. スプレッドシート
空の Google スプレッドシートを作り、その ID を Spreadsheet ID のノードに貼って、Run once の枝を1回実行します。Minutes と Items のタブと、見出しの行ができます。そのあと、3つの Google スプレッドシートのノードで、そのシートを選びます。
2. 認証情報
Google スプレッドシート(OAuth2)、Anthropic、Slack の3つです。Slack は、2つの Slack のノードでチャンネルを選びます。Slack のアプリが、そのチャンネルに入っている必要があります(入っていないと channel_not_found になります)。
3. 公開して、フォームを開く
ワークフローを公開すると、フォームの URL ができます。フォームは、URL を知っている人なら誰でも送れます。 社外に URL が出る場合は、フォームのトリガーで Basic 認証を入れてください。
使う前に知っておくこと
- 文字起こしは、Anthropic に送られます。 送れない会議には、使わないでください
- 話者の名前が入った文字起こしのほうが、担当者の確認がうまく働きます
- 費用は、会議1回につき Claude の呼び出し1回です。15行ほどの会議で、入力約750、出力約350トークンでした
- Config で、出力の言語(初期値は、文字起こしと同じ言語)、引用の最短の長さ、文字起こしの長さの上限を変えられます
確認していないこと
- 実際の会議の文字起こし(Zoom、Teams、Google Meet の書き出し)での精度。試したのは、私が書いた短い会議4つ、各1回です
- 1時間を超える長い会議(出力の上限 4,000 トークンで足りるか)
- Haiku 以外のモデル(大きいモデルのほうが、項目を多く拾うかもしれません)
- 英語と日本語以外の言語の締め切りの言葉(コードは、英語と日本語しか読みません)
次に読む
- 同じ考え方(AI が書き、コードが確かめる)で、Chatwork の書き込みを表にするのは Chatwork の記録をシートへ
- 確認を通っても中身が違った、もう1つの例は 法令の改正ウォッチ
- Claude を n8n から呼ぶ設定は n8n Anthropic Chat Model の使い方
- Slack に投稿できないときは channel_not_found の直し方
- テンプレートを n8n 公式に出した記録は n8n テンプレート投稿と審査