初心者向け
Copilot Studio と Dify の比較
Copilot Studio と Dify で迷ったら、先に「誰が使うか」を決めます。社員が Microsoft 365 Copilot のライセンスで使うなら、Copilot Studio は使った分の課金がかからない扱いです。お客様が使うボットは、1回の答えごとに課金されます。データを自分のサーバーに置きたいなら Dify です。Microsoft の公式の資料(2026-10-24 に確認)と、Dify を自分のパソコンで動かした記録から比べました。Copilot Studio は動かしていません。Google AI Studio の無料枠の上限も載せています。
公開 最終更新
動作確認: — Dify 1.17.1(セルフホスト、Docker) / Google AI Studio と Gemini API(無料枠、2026-10-11) / Microsoft Copilot Studio の公式資料(2026-10-24 に読み直した。資料の更新日は 2026-10-15)
「社内に AI のボットを入れたい。Copilot Studio と Dify、どちらがいいのか」。
先に結論です。決め手は「誰が使うか」です。
- 社員が使うなら、Copilot Studio。 会社が Microsoft 365 Copilot を入れていれば、社員が使った分は課金されない扱いです
- お客様が使うなら、使う量で決まります。 Copilot Studio は、1回の答えごとに課金されます。Dify は、AI のモデルの利用料だけです
- データを自分のサーバーに置きたいなら、Dify。 Copilot Studio は、Microsoft のクラウドで動きます
この記事の限界も、先に書きます。Copilot Studio は、動かしていません。 職場か学校のアカウントが要るためです。Copilot Studio について書いたことは、Microsoft の公式の資料(2026-10-15 更新)を、2026-10-24 に読んだ内容です。Dify は、自分のパソコンで動かしました。 使いやすさと、答えの質は、比べていません。
Copilot Studio と Dify の違い:誰が使うかで、費用のかかり方が変わる
2つの道具を、会社で選ぶときに効く点だけで並べました。
| Copilot Studio | Dify | |
|---|---|---|
| 確認の深さ | ○ 公式の資料を読んだだけ | ● 動かした(自分のパソコン) |
| 社員が使う | 課金されない扱い(Microsoft 365 Copilot のライセンスがあるとき。条件は下に) | AI のモデルの利用料がかかる |
| お客様が使う | 1回の答えごとに課金(Copilot Credits) | AI のモデルの利用料がかかる |
| データを置く場所 | Microsoft のクラウド | 自分のサーバー(自分で動かす場合) |
| 試すのに要るもの | 職場か学校のアカウント | パソコン(Docker が動くもの) |
- Copilot Credits は、Copilot Studio の使った量を数える単位です。答え1回ごとに、決まった数が減ります
- AI のモデルは、文章を作る AI の本体です(Gemini、Claude、GPT など)。Dify は、質問をモデルの API に送るので、その利用料がかかります。Dify 自体は、筆者の環境では、使用料なしで動きました
社員が使うなら:Copilot Studio
会社が Microsoft 365 Copilot を入れているなら、Copilot Studio が自然な候補です。 課金の資料の料金の表では、ライセンスを持つ人が使う分は、すべて「No charge」(課金なし)になっています。
ただし、条件があります。資料には、次のように書かれています。
- 社員向けの使い方で、エージェントが、ライセンスを持つ本人として動くとき(エージェントは、Copilot Studio で作る AI のボットのことです)
- 公平な利用の上限がある。上限は、Microsoft が変えることがある
もう1つ、気をつける点があります。Microsoft 365 の一部のプランには、「Teams 向けのプラン」が含まれます。ライセンスの資料によると、このプランでは、次のことができません。
- Teams の外(Web サイトなど)への公開
- AI が、質問に応じて、使う手順を自分で決める機能
- 一部の外部のサービスにつなぐ部品(プレミアムのコネクタ)
全部を使うには、Copilot Studio の単体の契約が要ります。「Microsoft 365 があるから、追加の費用なしで何でもできる」わけではありません。
お客様が使うなら:使う量で、費用を比べる
お客様が使うボットは、使う量で費用が変わります。
Copilot Studio は、答えの種類ごとに、Copilot Credits が決まっています(課金の資料)。
| 答えの種類 | Copilot Credits |
|---|---|
| 決まった答え(人が前もって書いておいた答え) | 1 |
| AI が作った答え | 2 |
資料には、計算の例もあります。Web サイトのサポートのボットで、お客様1人あたり、決まった答えが4回、AI が作った答えが2回。1日に900人なら、1日 7,200 Copilot Credits です。
前払いした量を125%まで超えると、エージェントは止まります。 従量課金(使った分だけ払う設定)にしていれば、止まりません。お客様向けのボットが急に止まると困るので、ここは先に決めておきます。
Dify は、AI のモデルの利用料がかかります。モデルと、質問と答えの長さで変わります。
比べるときは、同じ使う量(1日の人数と、1人あたりの質問の数)で、両方の見積もりを出してください。 1 Copilot Credit の値段は、契約の形で変わるので、この記事では確かめていません。
データを手元に置きたいなら:Dify
Dify は、自分のサーバーで動かせます。 資料(ナレッジ)の中身を、自分の環境に置けます。
筆者が自分のパソコンの Docker で動かしたときの記録です(詳しくは n8nとDifyの使い分け)。
- 画面は、日本語でした
- 重さは、15個のコンテナ、待機中のメモリ約 2.4〜3GB でした
ただし、質問は、AI のモデルの API に送られます。 データを全部、手元で閉じることはできません。送り先(Gemini、Claude など)の規約を、先に確かめます。ライセンスの条件と、Dify のクラウド版の料金は、確かめていません。
試すとき:会社のアカウントで試す前に
Copilot Studio は、個人のメールでは登録できません。 ライセンスの資料に、職場か学校のアカウントを使うように書かれています。
試用版について、資料に書かれていることです。
- エージェントを作って、テストの画面で試せる。公開はできない
- 期限が来たら、30日延ばせる。期限のあとも、90日までは動く
Dify は、自分のパソコンで、今日から試せます。
ほかの選択肢:Google AI Studio
Google AI Studio は、Google の AI のモデル(Gemini)を、ブラウザで試せる場所です。Google のアカウントがあれば、無料で使えました。ボットの置き場所というより、モデルを試して、使うコードを書き出す場所です。
無料枠には、モデルごとに回数の上限があります。「Gemini API のレート制限」の画面(2026-10-11、筆者のプロジェクト)に出ていた数字です。画面とアカウントで変わります。
| モデル | 1分あたりの回数 | 1日あたりの回数 |
|---|---|---|
| Gemini 3 Flash、3.5 Flash | 5 | 20 |
| Gemini 3.1 Flash Lite、3.5 Flash Lite | 15 | 500 |
| Gemini 2.5 Flash | 5 | 20 |
| Gemini 2.5 Pro、3.1 Pro | 0 | 0(無料枠では使えない表示) |
- 主力の Flash は、1日20回までです。業務で回すには、すぐ足りなくなります
- n8n から無料枠に続けて送ると、上限(429)のほかに、混雑(503)も返りました。 表に出ている Gemini 2.5 Flash は、「新しいユーザーには、もう使えない」(404)と返りました。測った記録は Gemini API の 404・503・429 にあります
- 無料枠のデータの扱い: Gemini API の利用規約(2026-10-10 に読んだ内容)には、無料枠の内容は Google の製品の改善に使われうること、個人情報は送らないこと、が書かれています。業務のデータを入れる前に、有料の枠との違いを確かめてください
どれを選ぶか:目安
| あなたの状況 | 目安 |
|---|---|
| 会社が Microsoft 365 Copilot を入れていて、社員が使うボットを作りたい | Copilot Studio。 社員が使う分は課金されない扱いです。Teams 向けのプランでできることと、管理者の許可を先に確かめます |
| お客様が使うボットを作りたい | 使う量で、両方の見積もりを比べる。 Copilot Studio は1回の答えごと、Dify はモデルの利用料です |
| 資料に答えるボットを、自分のサーバーに置きたい | Dify。 質問はモデルの API に送られるので、送り先の規約も確かめます |
| 会社のアカウントを使わずに、今日、試したい | Dify(自分のパソコン)か、Google AI Studio。 Copilot Studio は、職場か学校のアカウントが要ります |
| 受けて、判断して、記録して、通知する、業務の流れを作りたい | この3つではなく、n8n などの「つなぐ道具」の役割です(n8nとDifyの使い分け) |
確認していないこと
- Copilot Studio の実際の操作と、使ったときの Copilot Credits の数字(動かしていません。公式の資料だけです)
- 1 Copilot Credit の値段(契約の形で変わります)
- 「課金されない扱い」が、どこまでの使い方に当てはまるか(資料の条件を読んだだけです)
- Dify のクラウド版と、ライセンスの条件
- 答えの質や、速さの比較(この記事は、費用のかかり方と、置き場所の比較です)
- Google AI Studio の上限と測定は、1回ずつです。時間やアカウントで変わります
- 画面と料金は、2026年10月時点のものです。変わりやすいので、各社の最新のページで確かめてください
次に読む
- 道具全体の中での位置づけは 自動化ツールの選び方の地図
- Dify を実際に動かして、n8n と比べた記録は n8nとDifyの使い分け
- Gemini API の無料枠で起きたエラーは Gemini API の 404・503・429
- 料金の「数え方」を、n8n と Zapier で測った記録は n8nとZapierの違い