初心者向け
n8nとZapierの違い
n8n と Zapier の違いは、料金に数える単位です。同じ自動化を2・4・5ステップで両方に作って測ると、Zapier は 1・1・2 タスク、n8n はどれも1実行でした。月のタスクの見積もり方、AI のステップの数え方、MCP の数え方(1回2タスク)、どちらを選ぶかの目安を、試していないことも含めて書きました。
公開 最終更新
動作確認: — n8n 2.36.8(セルフホスト、Windows の WSL) / Zapier(Pro の試用期間、2026-10-11) / Gmail、Google スプレッドシート、Slack
「n8n と Zapier、何が違うのか。どちらを選べばいいのか」。業務の自動化を始めるときに、必ず出てくる疑問だと思います。
いちばん大きな違いは、料金に「何を1つと数えるか」です。
- Zapier は、動くたびに、数えられる操作(アクション)の数だけ、「タスク」が増えます
- n8n は、ステップがいくつあっても、1回動けば、1回の「実行」です
この記事は、同じ自動化を、両方に作って、数えた記録です。2ステップ、4ステップ、5ステップで、Zapier は 1・1・2 タスク、n8n は、どれも 1実行でした。
先に、この記事の限界です。測ったのは、ごく小さな自動化(Gmail、スプレッドシート、Slack)です。Zapier は、Pro プランの試用期間で動かしました。無料プランは、まだ試していません(末尾の「確認していないこと」にまとめました)。道具全体の中での位置づけは、自動化ツールの選び方の地図に書いています。
n8nとZapierの料金は、何を「1つ」と数えるのか
言葉を、先にそろえます。
- ステップ:自動化の中の、1つ1つの部品(メールを受ける、条件を確かめる、Slack に投稿する、など)
- タスク(Zapier):料金の対象になる、操作の数。ステップの数とは、別です
- 実行(n8n):自動化が、1回動いたこと。ステップが5つあっても、1回動けば、1つです
つまり、同じ自動化でも、Zapier はステップの中身で数が増え、n8n は、動いた回数で数が決まります。 ここから先は、筆者の読みです。1回にやることが多い自動化ほど、Zapier のタスクは増えやすく、n8n の実行は増えにくくなります。
同じ自動化を、2・4・5ステップで動かして数えた
「題名に zapier-test が入ったメールが届いたら、その内容を、スプレッドシートに書いて、Slack に投稿する」自動化です。確認の間隔は、どちらも2分です。
| 構成 | ステップ数 | Zapier が数えたタスク | n8n が数えた実行 |
|---|---|---|---|
| Gmail → Slack | 2 | 1 | 1 |
| Gmail → Formatter(文字を切る)→ Filter(条件)→ Slack | 4 | 1 | (未測定) |
| Gmail → Formatter → Filter → スプレッドシートに1行 → Slack | 5 | 2 | 1(5ノード全部が動いた) |
- Zapier: ステップが 2 → 4 → 5 と増えても、タスクは 1 → 1 → 2 でした。増えたのは、スプレッドシートへの書き込みを足した、最後の1回だけです。Filter と Formatter は、数えられませんでした
- n8n: 5ノード全部が動いて、実行の記録は、1件でした
Zapierのタスクに数えられるもの、数えられないもの
今回の測定で、数えられなかったもの:
- メールが届くのを待つ確認:10分以上、確認が動いても、数字は増えなかった
- 公開前のテスト実行:Slack に実際に1件投稿されたが、0タスク
- Filter、Formatter
数えられたもの:
- メールが届いて、Slack に投稿した1回(1タスク)
- スプレッドシートに行を書いた1回(もう1タスク)
画面の「Plan tasks」の数字は、実行の記録が出てから、数分遅れて変わりました。
Zapier の公式の料金ページ(2026-10-09 更新と表示)と、タスクの数え方のヘルプには、「きっかけ、確認、Filter、Paths、Formatter、Delay は数えない」という趣旨の説明があります(読んだ内容です)。今回の測定は、きっかけの確認、Filter、Formatter については、この説明と合いました。 Paths と Delay は、試していません。
Zapier MCPは、1回の呼び出しで何タスク?
Zapier には、Claude などの AI から、Zapier のアクションを直接呼べる MCP(AI が外の道具を呼ぶ仕組み)があります。同じ「Slack のチャンネルに投稿する」を、Zap の中で動かしたときと、MCP から1回呼んだときで、タスクを比べました。
| 入口 | 同じ Slack の投稿1回で数えられたタスク |
|---|---|
| Zap の中のステップ | 1 |
| MCP から、1回呼んだ | 2(3回測って、3回とも2) |
3回の測定(2026-10-12)は、次のとおりでした。MCP から、Slack のチャンネルに、テスト用の文を1回ずつ投稿して、「Plan tasks」を見ました。
| 呼び出し | 「Plan tasks」 |
|---|---|
| 1回目 | 12 → 14(+2) |
| 2回目と3回目(続けて) | 14 → 18(+4。1回あたり+2) |
公式の料金ページにも、「MCP のツールの呼び出しは、1回で2タスク」という趣旨の説明があります(読んだ内容です)。測定は、それと合いました。 詳しい設定と、数え方の確認の仕方は、Zapier MCPの料金にまとめました。
AI から Zapier を呼ぶ使い方では、同じ操作が、Zap の中の2倍に数えられます。 AI が何度も呼ぶ使い方では、タスクの減りが速くなります。
AI のステップ(AI by Zapier)は、何タスク?
Zapier には、AI にメールの題名を翻訳させる、などができる「AI by Zapier」のステップがあります。5ステップの Zap の、Slack の前に、このステップ(Standard の段階)を足して、動かしました(2026-10-12)。
| 構成 | ステップ数 | 実行1回で数えられたタスク |
|---|---|---|
| Gmail → Formatter → Filter → スプレッドシート → Slack | 5 | 2 |
| Gmail → Formatter → Filter → スプレッドシート → AI by Zapier(Standard) → Slack | 6 | 3 |
- 数えられるアクションは、スプレッドシート、AI、Slack の3つで、タスクも3つでした。数えられるアクションが3つのときも、足し算で増えました(4つ以上は、測っていません)
- AI のステップの設定画面の「Preview」(試し)は、タスクに数えられませんでした(その日の使用量のグラフが、実行の3タスクだけだったため)
段階(モデルの強さ)で、1回のタスク数が変わると、画面に出ていました(次の表は、画面の表示です。Standard だけ、実行して確かめました)。
| 段階 | 画面に出ているタスク数 | 試用期間での状態 |
|---|---|---|
| Standard | 1 | 使えた(測定済み) |
| Advanced | 3 | 「有料プランが要る」と表示 |
| Premium | 5 | 「有料プランが要る」と表示 |
| Bring Your Own Key(自分の API キー) | 1 | 未確認 |
- 同じ AI の処理が、段階を上げると、3倍、5倍のタスクになる表示でした。月の回数が多い自動化では、どの段階を選ぶかが、タスクに直接効きます
- 「AI by Zapier」は、アプリの検索で「Premium」の印が付き、ツール(Web 検索など)を持たせるには、Advanced 以上が要る、と表示されていました
詳しくは、AI by Zapierの料金にまとめました(月の見積もりの例、無料で使えるかの見立て、確認していないこと)。
月のタスクを見積もる方法(Zapier と n8n の費用の目安)
Zapier の、月のタスクの目安は、次の式です。
月のタスク = 月に動く回数 × 1回で数えられるアクションの数
数字を入れて、その場で計算できる月額見積もり計算機も作りました。
たとえば、1日10回、30日動く(月300回)なら:
| 数えられるアクション | 月のタスク | 無料プラン(月100) | Professional(月750) |
|---|---|---|---|
| 1つ | 300 | 超える | 足りる |
| 2つ | 600 | 超える | 足りる |
| 3つ | 900 | 超える | 超える |
これは計算例です(測定ではありません)。タスクの上限は、Zapier の公式の料金ページ(2026-10-09 更新と表示)で読んだ数字です。料金や上限は変わるので、最新のページで確かめてください。
n8n(クラウド)は、ステップの数に関係なく、動いた回数で数えます(1回の実行の数え方は、n8nの料金と実際の費用で確かめた内容です。この記事では、課金の数字までは確かめていません)。セルフホストなら、実行の数に上限はありません。そのかわり、サーバーと、見張る手間は、自分で持ちます(クラウドかセルフホストかの比較)。
どちらを選ぶか:数え方から見た目安
数え方だけから見た、筆者の読みです。 作りやすさや、使い心地は、比べていません。
| 自分の自動化 | 目安 |
|---|---|
| 1回にやることが少なく、月に数十回 | 数え方の差は出ません。ほかの理由(慣れ、つなぎたいサービス)で選んで大丈夫です |
| 1回に、書く・送る・作る操作が3つ以上ある | Zapier のタスクが増えやすいので、n8n が有利になりやすいです。先に、上の式で見積もってください |
| 月に数百回以上動く | 同じく、n8n が有利になりやすいです。n8n クラウドの上限と比べます |
| サーバーを持ちたくない、止まっていないかを自分で見張りたくない | Zapier のほうが、運用の負担は軽いはずです(Zapier が動かしてくれるため。筆者は、Zapier の運用の障害は、試していません)。n8n をセルフホストするなら、下の「止まったとき」を読んでください |
n8nが止まったとき、気づけるか(運用の違い)
数え方のほかに、運用で気づいた違いが1つあります。
筆者の n8n では、Gmail の認証(Google の OAuth)が、前日から「再接続が必要」な状態でした(前日に、自動化の診断書が見つけたまま、直していませんでした。切れた原因は、確かめていません)。その状態で、ワークフローを公開して、確認を動かし続けると、次のことが起きました。
- n8n のログに、「Access could not be refreshed because the connected account has revoked access, the refresh token expired…」というエラーが、10回出た(うち3回は、メッセージが
undefinedと出た) - 実行の記録は、0件のまま。ワークフローは、「公開中」のまま
つまり、画面の実行の一覧を見ているだけでは、止まっていることに気づけません。 n8n を自分で動かすなら、止まったことに気づく仕組みを、自分で持つ必要があります。自動化の診断書は、そのために作りました。
認証を直したあと、止まっている間に届いたメールは、取れました(1件の観察です)。
Zapier が、認証が切れたとき、どう知らせるかは、まだ試していません。
つなぎ方で気づいた細かい違い
- 前のステップの値の使い方。 Zapier は、後ろのステップから、前のステップの値を、どれでも選べました。n8n は、前のノードの出力が、次のノードの入力になるので、スプレッドシートのノードの後ろの Slack では、その前の値が消えて、投稿が空になりました(筆者の作りの間違いです)。前の前のノードの値は、ノードの名前を指定して読む必要があります
- Slack のチャンネルへの入り方。 Zapier は、「Add Zapier app to channel automatically?」の設定が、初期値で「Yes」でした。n8n では、Slack のアプリを、先にチャンネルへ入れておかないと、投稿が
channel_not_foundで失敗しました - 動くまでの時間。 どちらも確認の間隔が2分で、メールが届いてから、約10〜80秒で動きました(Zapier は 29 秒、48 秒、78 秒。n8n は 9 秒、31 秒)。確認のタイミングの運で、速さの違いとは言えません
確認していないこと
- 無料プランでの動き(無料は、2ステップの Zap だけ、確認の間隔は15分、という内容は、料金ページを読んだだけです)
- AI のステップの、Advanced と Premium の段階の実測(試用では、有料プランが要ると表示され、動かせませんでした。表の3と5は、画面の表示です)
- 無料プランで、AI のステップが使えるか
- Paths、Delay など、ほかの種類のステップ
- 数えられるアクションが4つ以上のときも、タスクが足し算で増えるか(3つまで測りました)
- n8n クラウドの、実際の課金の数字(セルフホストで、実行が1件できることまでです)
- 認証が切れたときの Zapier の動き
- 作る手間の比較。 n8n 側は、筆者が画面で作っていません(Claude が、コードで作りました)
- MCP の「一覧の取得」など、読み取りの呼び出しが、1回あたり何タスクか(昨日の「合計3」から、1タスクと推定しただけです)
- Gmail、スプレッドシート、Slack 以外のサービス
次に読む
- 道具の全体の中での位置づけは 自動化ツールの選び方の地図
- n8n と Dify の違いは n8nとDifyの使い分け
- AI のアプリを作る道具(Dify、Copilot Studio、Google AI Studio)の違いは Dify・Copilot Studio・Google AI Studioの違い
- n8n の料金の中身は n8nの料金と実際の費用
- クラウドとセルフホストの違いは n8nクラウドとセルフホストの比較
- 認証切れや実行回数の見張りは 自動化の診断書