初心者向け

自動化ツールの選び方の地図

目的別の早見表つき。業務自動化で使える6つの道具(n8n、Claude Code、Dify、Zapier、Copilot Studio、Google AI Studio)を、「何が主役か」の3つの層に置いて、筆者の「手段の選び方」の5つの問いに当てはめました。動かして確かめたものと、公式の資料を読んだだけのものを、印で分けています。料金の「数え方」の違い(n8n は実行1回、Zapier は成功した操作、Copilot Studio は Credits、Gemini API はトークン)も整理しました。

動作確認: — n8n 2.36.8/2.42.6 / Dify 1.17.1 / Claude Code(公式ドキュメント 2026年10月10日) / Zapier の料金ページ(2026年10月9日更新)と、Pro の試用期間での実測(2026年10月11日) / Microsoft Learn の Copilot Studio(2026年9月25日) / Google AI Studio と Gemini API の公式ドキュメント(2026年10月10日)

「n8n、Zapier、Dify、Copilot Studio、Claude Code、Google AI Studio。業務自動化には、道具がたくさんあって、どれを使えばいいのか分からない」。

この記事は、6つの道具を、1枚の地図に置くためのものです。機能の一覧表ではありません。「何を主役にしたいか」で、道具を選ぶための地図です。

そして、このサイトの方針として、筆者が動かして確かめたものと、公式の資料を読んだだけのものを、印で分けて書きます。

先に結論です。

  • 6つは、層が違います。 「つなぐ」(n8n、Zapier、Copilot Studio の自動化の流れ)、「AI のアプリを作る」(Dify、Copilot Studio のエージェント、Google AI Studio)、「コードを書かせる」(Claude Code)。並べて「どれが優れているか」を決めても、役に立ちません
  • 選ぶときは、筆者は次の5つの問いを、上から順に当てはめています。最初に「はい」になったところで決めます
  • 料金の「数え方」が、道具ごとに違います。 同じ作業でも、費用の見え方が変わります
  • 動かして確かめたのは、n8n、Claude Code、Dify、Gemini API、そして Zapier の料金の数え方(試用期間)です。Copilot Studio は、公式の資料を読んだだけです。その部分は、そう書きます

目的別の早見表

まず、やりたいことから、候補を絞ってください(印の意味は、下の「確認の深さ」にあります)。

やりたいこと 向く道具 確認の深さ 詳しい記事
LINE、Gmail、Slack などを受けて、判断して、記録して、通知する(業務の流れを作る) n8n、Zapier ● n8n、◐ Zapier n8nとZapierの違い、LINE×Slack の実例
手元の資料に答えるボットを、早く立てる Dify ● 動かした n8nとDifyの使い分け
画面にしかないデータを使う、コードを書かせる Claude Code ● 毎日使っている この記事の「動かして確かめた3つ」
Microsoft 365 / Teams に、AI のエージェントを出す Copilot Studio ○ 資料を読んだだけ Dify・Copilot Studio・Google AI Studioの違い
モデルを試す、API キーを出す Google AI Studio(と Gemini API) ◐ 一部動かした 同上
料金を、回数と、ステップの数から見積もりたい n8n と Zapier を、同じ自動化で比べる ● 測った n8nとZapierの違い、月額見積もり計算機

迷うときは、下の「手段の選び方:5つの問い」を、上から順に当てはめてください。この表は、筆者が動かした範囲の読みで、使いやすさや精度の比較ではありません。

つなぐ受け取り → 判断 → 記録 → 通知● n8n○ Zapier○ Copilot Studio(自動化の流れの部分)AI のアプリを作る資料に答える、AI に判断させる● Dify○ Copilot Studio(エージェントの部分)◐ Google AI Studio(キーの発行と Gemini API)コードを書かせる画面操作、スクリプト、API の呼び出し● Claude Code● 動かした/使っている ○ 公式の資料を読んだだけ ◐ 一部だけ使った
6つは、層が違う。「どれが優れているか」ではなく、「何を主役にしたいか」で選ぶ。印は、筆者の確認の深さ。

6つの道具を、「何が主役か」で分ける

層 主役 この層の道具
つなぐ 受け取る → 判断する → 記録する → 通知する、という業務の流れ n8n、Zapier、Copilot Studio の自動化の流れ
AI のアプリを作る 資料に答える、AI に判断させる、というAI の部分 Dify、Copilot Studio のエージェント、Google AI Studio(と Gemini API)
コードを書かせる 画面操作、スクリプト、API の呼び出しなどのコードそのもの Claude Code

Copilot Studio は、2つの層にまたがります(公式は、エージェントと、自動化の流れ「ワークフロー」の両方を作れる、と説明しています)。

確認の深さ

印 意味 該当
● 筆者が動かした/毎日使っている n8n(自分で作った記録)、Claude Code、Dify(n8n との比較)
◐ 一部だけ使った Zapier:Pro の試用期間で、2〜6ステップの Zap(AI のステップを含む)と MCP を動かし、料金の数え方を測った(n8n との比較)。Google AI Studio:API キーの発行だけ。Gemini API は、n8n と Dify から、実際に使った
○ 公式の資料を読んだだけ Copilot Studio

○ の Copilot Studio は、動かしていません。 書いてあるのは、公式の資料に載っていることだけです(出典と、確認した日付を付けます)。

手段の選び方:5つの問い

筆者が、自動化の手段を決めるときの問いです。上から順に聞いて、最初に「はい」になったところで決めます。

順番 問い 向く手段 6つで言うと
1 公開の API があるか API を呼ぶ(いちばん速く、壊れにくい) どの道具からも、HTTP で呼べる。n8n の HTTP Request、Dify の HTTP リクエスト(筆者が動かした)
2 画面にしかデータが無いか 画面操作のプログラム(画面が変わると壊れる前提) コードを書かせる Claude Code(筆者の使い方)。Claude Code の公式ドキュメントにも、Chrome を使う連携がある
3 2段階認証や、ボット検知があるか 自動化しない(人が最初にログインし、そのセッションを使う設計に) 道具の選択の外の話
4 サービス同士をつなぐ、定期的に動かす、のか 「つなぐ」層 n8n、Zapier、Copilot Studio の自動化の流れ。Claude Code にも、定期実行の機能がある
5 AI 自身に、道具を持たせるか MCP などで、AI から直接、道具を使わせる Claude Code は MCP で、外部の道具につなぐ。n8n にも MCP の入口がある。Zapier も MCP を出している(料金ページに記載)

3番の「自動化しない」は、見落とされやすいところです。やれることと、やってよいことは、別です。

動かして確かめた3つ(+ Gemini API)

筆者が、実際に使った範囲です。

  • n8n(●):「つなぐ」層。LINE、Gmail、Slack などを、ノードでつなぎます。LINE と Slack をつないだ記録、料金の数え方の実測、Docker で動かした記録があります
  • Claude Code(●):「コードを書かせる」層。公式ドキュメントでは、「コードベースを読み、ファイルを編集し、コマンドを実行する、エージェント型のコーディング道具」で、ターミナル、IDE、デスクトップ、Web で動き、Claude のサブスクか、Anthropic Console のアカウントが要る、と説明されています。n8n のワークフローを作るのに、毎日使っています
  • Dify(●):「AI のアプリを作る」層。ナレッジの登録と、チャットの画面が、最初から揃っています。同じボットを n8n と Dify の両方で作って比べた記録があります
  • Google AI Studio と Gemini API(◐): AI Studio では、API キーの発行だけを使いました。Gemini API は、n8n(埋め込み)と Dify(回答と埋め込み)から、実際に動かしました

一部だけ動かした Zapier と、読んだだけの Copilot Studio

Zapier(◐)

2026年10月11日に、Pro の試用期間で、実際に動かしました。 Gmail → Slack(2ステップ)から、Filter と Formatter とスプレッドシートを足した5ステップまでの Zap と、MCP の呼び出しです。料金の「数え方」を測っていて、結果は n8nとZapierの違い にまとめました(2・4・5ステップで 1・1・2 タスク。AI のステップ〔Standard〕を足した6ステップは3タスク。MCP は、1回の呼び出しで2タスク。3回測って確認)。無料プラン、AI のステップ、認証が切れたときの動きは、試していません。 下の「読んだ内容」は、公式の資料に書かれていることです。

  • アプリ同士をつなぐ自動化の道具です。AI のステップ、エージェント、チャットボット、MCP も、料金ページに載っています
  • 数える単位は「タスク」です。 無料プランは、月 100 タスクまで、2 ステップの Zap のみ、確認は 15 分ごと、と書かれています(料金ページ、2026年10月9日更新)
  • 有料は、たとえば Professional の 750 タスクで、年払いの月額換算 19.99 ドル、月払い 29.99 ドルでした(同ページ)
  • 出典:Zapier の料金、タスクの数え方(ヘルプ)

Copilot Studio(○:公式の資料を読んだだけ)

ここは、動かしていません。 公式の資料に書かれていることだけです。

  • Microsoft の公式ドキュメントは、「AI のエージェントと自動化の流れを作って管理する、グラフィカルなローコードの場」と説明しています。作れるのは、エージェント、ワークフロー、エージェントフローで、Teams、Microsoft Copilot、Web サイト、モバイルアプリなどに公開できます
  • 内部で動く「ハーネス」(エンジン)を、GitHub Copilot ハーネス、標準ハーネス、Copilot チャットのハーネスから選び、選びによって、できることと、課金の仕組みが変わる、と書かれています
  • 使うには、Copilot Studio のユーザーライセンス、作成者のロール、Microsoft 365 Copilot のライセンス、または試用ライセンスが要ります。試用版は、テストはできますが、公開はできないと書かれています
  • 出典:Copilot Studio の概要、ライセンスと課金(2026年9月の更新)

料金の「数え方」が、道具ごとに違う

同じ作業でも、何を1と数えるかで、費用の見え方が変わります。構造だけを並べます(金額は、変わりやすいので、各社のページで確かめてください)。

道具 数える単位 注意
n8n 実行 1 回(Cloud)。セルフホストは、n8n 自体は無料 条件で捨てた実行も、1回に数えられるはず。 筆者の LINE と Slack の仕組みでは、問い合わせ1件で、約3回だった(実測)。Cloud の請求では、確かめていません
Zapier 成功した操作(タスク) 公式のヘルプでは、トリガー、ポーリング、Filter、Paths、Formatter、Delay は数えない。筆者の測定(Pro の試用)では、5ステップの Zap(Filter と Formatter を含む)が 2 タスク。AI by Zapier(Standard)のステップは1タスク。MCP の呼び出しは、1回2タスク(3回測って確認。詳しく)(測定の詳細)
Copilot Studio Copilot Credits 2025年9月1日に、「メッセージ」から変わった。前払い、Azure の従量、前払いの購入計画など
Dify セルフホスト版は、筆者の環境で、使用料を払わずに動かせた モデルの API の利用料は、別。 セルフホスト版のライセンスの条件と、クラウド版の料金は、確かめていません
Google AI Studio、Gemini API AI Studio の利用は無料(対応地域)。API は、無料枠と、100万トークン単位の有料 無料枠の内容は、Google の製品の改善に使われると書かれている。業務のデータを入れるときは、有料の枠と、条件の違いを確かめる
Claude Code サブスク、または Anthropic Console の API 第三者の提供元を使える面もある(CLI、VS Code、JetBrains)

n8n と Zapier の数え方は、対照的です。 Zapier は、数えられるアクションの数だけタスクが増え、Filter や Formatter は数えません。n8n は、動き出した実行を、中身に関わらず、1回に数えるはずです。2026年10月11日に、同じ5ステップの自動化を両方で動かすと、Zapier は 2 タスク、n8n は 1 実行でした(詳しくは n8nとZapierの違い)。この測定は、ごく小さな自動化と、Zapier の Pro の試用期間のものです。

確認していないこと

  • Zapier の無料プラン、AI のステップ、認証が切れたときの動き。Copilot Studio の実際の操作(どちらも、作りやすさ、つまずく点、エラーの出方)
  • Dify のクラウド版、エージェント、ワークフロー、トリガーの機能
  • Google AI Studio の Build モードと、プロンプトの画面
  • 道具どうしの精度や速さの比較。この記事は、役割の整理で、性能の比較ではありません
  • 本番の運用(認証、バックアップ、更新、障害のときの動き)
  • Claude Code と、他の AI のコーディング道具との比較
  • バージョンと、画面、料金は、2026年10月時点のものです

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更新の記録

  • 2026年10月11日: Zapier を「公式の資料を読んだだけ(○)」から、「一部だけ動かした(◐)」に変えました。初版では、「同じ仕組みを Zapier で組んだら数え方が変わる可能性があるが、試していない」と書いていました。Pro の試用期間で、2〜5ステップの Zap を動かして測り、「料金の数え方」の表と、確認していないことを、直しました。狙うキーワードも、「n8n zapier 比較」から「業務自動化 ツール 選び方」に変えました(Zapier との比較の詳細は、別の記事に分けたためです)
  • 2026年10月11日(2回目): 記事の最初に「目的別の早見表」を足しました(「やりたいこと」から、道具と、詳しい記事を引けます)。題名にも「目的別」を入れました。結論の欄に、「動かして確かめたのは n8n、Claude Code、Dify、Gemini API だけ。Zapier と Copilot Studio は読んだだけ」と残っていたので、Zapier を動かした事実に合わせて直しました
  • 2026年10月12日(3回目): Zapier の AI のステップ(AI by Zapier、Standard の段階)を足した6ステップの実行を測り、3タスクだったことを反映しました。MCP については、初版で「1回の呼び出しが2タスクだった」と書きましたが、数字の反映が遅れる間に書いた誤りで、実測は「そのセッションで合計3タスク、内訳は未確認」に直しました(詳しくは n8nとZapierの違い)

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