中級向け
freee の督促を下書き
毎朝、期日を過ぎても入金のない売上ごとに、督促メールの下書きが Gmail にできています。
金額・請求書番号・期日は、freee の値とコードが照らします。一部だけ入金があれば、残りの額で書きます。
勝手には送りません。人が読んで、送ります。
人の手間は、どう変わるか
Before(人が手でやっていたこと)
- freee で、期日を過ぎて入金のない売上を探す
- 一部だけ入金があった売上の、残りの額を計算する
- お客様ごとに、気を使いながら督促のメールを一から書く
After(このワークフローを入れると)
- 毎朝、期日を過ぎた売上を探し、お客様ごとにまとめる
- 残りの額・番号・期日の入った督促メールの下書きが、Gmail にできている
- freee にない金額や、延滞金・法的な言葉が入った下書きは、保存されない
それでも人に残ること
- 下書きを読んで、直すところを直して送る
- メールアドレスのないお客様には、一覧を見て手で連絡する
公開
動作確認: — n8n 2.36.8 / Claude Haiku 4.5 / freee会計 API(開発用テスト事業所) / Gmail
売上は freee会計で管理している。毎週、期日を過ぎても入金のない売上を探して、一部だけ入金があれば残りの額を計算して、気を使いながら督促のメールを書いている人に向けて書いています。
先に結論です。
- 毎朝、期日を過ぎた売上ごとに、督促メールの下書きが Gmail にできます。 お客様ごとに1通です
- 督促に入る数字は、すべて freee の値と照らします。 一部だけ入金があった売上は、請求の総額ではなく、残りの額で書きます
- 勝手には送りません。 下書きとして保存するだけです。人が読んで、送ります
AI(Claude)は、文を書くだけです。金額の計算もしません。
このワークフローは、n8n 公式テンプレートに提出しました(2026年10月25日、審査中)。freee のシリーズの3本目です(見積書 → 請求書 → 督促)。freee請求書を使っていなくても、freee会計に売上を入れていれば動きます。
overdue-reminders-freee-ja.json をダウンロード(日本語版)(ノードの名前、付箋、担当者へのお知らせが日本語です)
英語版(n8n に提出したものと同じファイル。督促の文は日本語で、担当者へのお知らせは英語):overdue-reminders-freee.json

督促に入る数字は、すべて freee と照らす
督促のメールで一番困るのは、金額を間違えることです。もう入金のあった額まで請求したり、総額と残りの額を取り違えたりすると、お客様に失礼になります。
そこで、AI に渡すのは、freee から読んだ事実だけにしました。
| AI に渡すこと | freee の項目 |
|---|---|
| 請求書番号 | 取引の「管理番号」 |
| 請求額 | 取引の金額 |
| 未入金の額 | 取引の「支払残額」 |
| お支払い期日 | 取引の「支払期日」 |
AI が書いた下書きを、コードが確かめます。
- 請求書番号・未入金の額・期日が、そのまま入っているか。 一部入金の売上で、総額だけを書いていたら止める
- freee にない金額が、混ざっていないか。 下書きの中の「〇〇円」をすべて拾い、freee の値(未入金の額、請求額、入金済みの額、合計)のどれでもなければ止める
- 強い言葉がないか。 延滞金・遅延損害金・法的・訴訟・弁護士などの言葉があれば止める
通らなかった下書きは保存せず、担当者へのお知らせに「このお客様は、手で書いてください」と理由を書きます。
試した結果
2026年10月25日、freee の開発用テスト事業所で試しました。売上の取引は架空で、API で作りました。
| 売上 | 状態 | 結果 |
|---|---|---|
| INV-0000000002(株式会社テスト商事) | 期日 10/20 を過ぎて、入金なし(188,100円) | 下書きに入った |
| INV-0000000003(同) | 期日 10/15 を過ぎて、52,250円のうち 20,000円が入金済み | 下書きに「未入金の額 32,250円(一部ご入金済み 20,000円、ありがとうございます)」と入った |
| INV-0000000004(同) | 期日前(11/30) | 下書きに入らなかった |
| デモの取引先3社の売上 | 期日を過ぎて、入金なし。メールアドレスなし | 下書きは作らず、お知らせの一覧に載った |
| 取引先の入っていない売上 | 期日を過ぎて、入金なし | お知らせに「取引先の設定がない売上」として載った |
テスト商事あての下書きは1通にまとまり、未入金の合計(220,350円)、「行き違いの場合はお忘れください」、お支払いの予定日を教えてほしいというお願いが入りました。
わざと間違えた下書きで、照らす部分だけを試した
AI を使わずに、間違いを入れた下書きを手で作り、確かめのコードに通しました。
| 入れた間違い | 結果 |
|---|---|
| 残りの 32,250円ではなく、請求の総額 52,250円だけを書く | 止めた(INV-0000000003 の未入金の額がない) |
| 「お支払いが遅れる場合は延滞金が発生します」と書く | 止めた |
| 「振込手数料 440円はご負担ください」と足す | 止めた(freee にない金額) |
| 期日を 10/25 と間違える | 止めた(10/15 の期日がない) |
freee の開発用テスト事業所で分かったこと
最初は、請求書のワークフローで作った請求書を、freee請求書の画面から「取引登録」して、入金を確かめる形にするつもりでした。ところが、開発用テスト事業所では、freee会計の画面が「プラン未契約」で使えず、取引登録のボタンも押せませんでした。
一方で、freee会計の API は、そのまま使えました。 売上の取引も、一部の入金の記録も、API で作れました。そこで、freee会計の取引を直接見る形に変えました。結果として、freee請求書を使っていない会社でも使える形になりました。
使うアプリの権限は、取引と取引先の参照だけです(試験用の取引を作るときは、取引の更新と、口座・勘定科目・税区分の参照も足しました)。
使うための設定
- freee のアプリ: 取引と取引先の参照の権限。コールバック URL は、見積書の記事と同じです(freee の API で詰まった3つのこと)
- n8n の認証情報: freee の「OAuth2 API」と、Gmail、Anthropic
- freee の準備: 取引先に、お客様の担当者のメールアドレスを入れる。督促に請求書番号を入れたいときは、売上の取引の「管理番号」に請求書番号を入れておく
- 設定(英語版は Config):freee の事業所の ID、担当者のメールアドレス、署名、何日過ぎたら督促するか、1回に下書きを作るお客様の数
- 「今すぐ動かす」(英語版は Run now)で試す。 過去の日付で試したいときは、設定の
today_overrideに日付を入れる。よければ公開して、平日の朝9時に動かす
できないこと・確認していないこと
- 1回に読む売上は、100件までです
- 入金がまだなら、次の朝も同じ下書きができます。 古い下書きは消すか、週に1回だけ動かす
- 入金の記録は freee の側の情報です。freee にまだ記録していない入金は、未入金に見えます
- 下書きの文の言い回し(ていねいさの加減)は、コードでは確かめていません。数字と、強い言葉だけです
- 100件を超える売上、1つの取引先に複数のメールアドレスがある場合は、試していません
次に読む
- この前の工程(発注メールから、freee の請求書を作る)は freee の請求書を自動作成
- さらに前の工程(見積の依頼メールから、freee の見積書を下書き)は freee の見積書を自動で下書き
- AI に「送る」を任せない設計は AI エージェントの暴走は、指示では防げなかった